アルミリベットはハンドプレスの駒で止められるのか、という実験


アルミリベットをハンドプレスで止められますか、という質問がきたので実験してみました。

結論から言うと「特定条件下で可能ですがかなり条件を選ぶ」です

大前提として「この使い方は本来のハンドプレス・駒から外れた使い方のため、これによる何かしらの被害不利益が生じたとしても当店は一切責任が負えません」と書いておきます。

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アルミリベットって?

今回相談を受けたのは「平リベット」と呼ばれるものですね。
アルミを利用していますので普通の金属よりも柔らかく、そのため今回のようにハンドプレスでもなんとかなりました。
下記動画にあるようにリベットとワッシャーがあればそんなに難しい作業でもありません。
金属と革でもくっつけることが出来るのですが、付け方を考えると使用箇所が制限されます。

利点としては「元の足が長く切り取ってからくっつける」ということができるので汎用性が高いです。

デメリットとしては「長い足を切り取るので作業手間がかかってしまう」ですね。

実際にハンドプレスで止めてみると

上記動画にあるように本来は「リベット>革>ワッシャー」で留めますが、今回相談者から支給されたのはリベットのみ。まぁ、ワッシャーがあれば留まるかどうかは上記動画のほうが詳しいので今回はワッシャーなしでハンドプレスでとめるかどうかを実験しましょう。

2×4リベット

2×4は頭が線の太さが2mm、足の長さが4mmとなります。
こちらを2,4mm厚みの革に留めてみたところ。

使った駒:小カシメ駒、円盤駒

使用革:厚み2.4mmタンニン固め革

結果:両方とも留まる

難点:小カシメ駒だと跡が残るかな。円盤駒だと垂直に均一に平らに力を加えるのでまだ成功率が高い。

3×10リベット

足が10mmと長く、かつ、リベットの足長さを調節することなく潰してみます。

使用革:4mmベンズ。めちゃくちゃ硬い!

使用駒:中カシメ駒、円盤駒

結果:留まっているがひしゃげている。革の厚みとリベットの足の長さが一致していない。
革の厚み+2.5mm程度まで足の長さを短くすることが必須かな

5×10リベット 調節なし

使用革:4mmベンズ

使用駒:大カシメ

結果:留まっているがへしゃげている。美しくない
また、線が太いため力がいる。

5×10リベット 調節あり

使用革:4mmベンズ

使用リベット:リベットの足の長さを6,5mm程度に調整

使用駒:円盤駒

結果:キレイに留まっています。長過ぎる部分を切り落としているのでまだ楽に留められました。

感想

・ワッシャーなしで使っているため革を留めているのが「潰れたアルミの頭部分だけ」となります。そのため頭が押し付ける力が弱いように思えますね。
・革の厚みに対して足の長さをいちいち調整する必要があります。これが手間暇かかります。
・下記の写真を見てわかりますように、左は「革の厚み+6mmの長さを潰したもの」 右は「革の厚み+2,5mmの長さを潰したもの」となります。
右のほうが円が小さくなっていますよね?これは足を切り落とした分だけリベットの頭が小さくなってしまっているからです。小さい=保持力が弱い、ということです。

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・使う駒は2mmには小カシメ、、3mmには中カシメ、4mm,5mmには大カシメで大丈夫です。
ただ、下駒は平べったいほうがオススメです。下部分には金属の板を使うのも手かと思います。

円盤駒のように「上も下も平べったい」というものならばどれにも使えます。

・ハンドプレス・打駒 – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

近々直径50mm円盤駒よりも小さな平べったい駒を登録予定ですのでそれを使うのも手かな、と思います。

・リベットを革に使うのも雰囲気あるし悪く無いです。ただ、アルミのため強度に問題を感じます。
ワッシャーを挟んだほうが安心感はありますね。

・一にも二にも足の長さの微調整が肝となります。
ラジオペンチなどよりも喰い切りのほうが格段に切断は楽なのでオススメです。

くい切り – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

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