カバン・革小物のコバ処理のやり方:道具や手順について


こんにちは。
Phoenixの賢谷です。

最近接客をしてて【コバってどのように処理すればよいですか?】とよく聞かれます。

まずコバとは何か?

ですが、革の切り口(断面)の部分のことを言います。
この断面の仕上げ方法としては①へり返し②コバ出しの2種類があります。

 

今回はこのコバ処理のやり方や道具について説明していきたいと思います。

【へり返しとは】

革を部分的に薄く漉いて、折り返す方法です。薄く漉いてしまえばあとは返すのみなので短時間で見栄えも良い仕上がりになります。効率的なので既製品に多いのが特徴です。

こちらのやり方は単純

①部分漉き

部分漉きの種類は段漉きになります。
幅は1cmへり返す場合は幅:12mm程度 厚さ:0.7~8mmで段漉きする場合が多いと思います。

②接着、ヘリ返し

ゴムのり等の接着剤を使い漉いた部分を返していきます。ここで真っすぐなラインをださないときれいな見栄えにはならないので注意しましょう。

③完成

【コバ出しとは】

革の切り口をそのまま出す仕上げ方法、磨いたり、処理剤を塗布することで耐久性を上げたり、見栄えも良くなります。

コバ処理のやり方について

※コバ処理のやり方は100人いれば100通りあるようなもので掲載している方法は最適解ではありません。あくまでPhoenixで販売しているもので私個人がやるとこうなるよっていう内容なので参考程度にお願いいたします。

 

①革の接着

まずは2枚を張り合わせて縫った後にコバ処理する場合でみてみましょう。
革を用意して、接着剤を塗ります。

接着する際はしっかり圧着しましょう。後々のコバ処理がやりやすくなります。
そして、端を少しだけ切ることで綺麗な断面を出しましょう。
こうすることで面一の下地を形成する際の余計なヤスリ掛けをなくすことができます。
使用道具:ゴムのり
シリコンヘラ

②裁断・縫製

断面ができたら縫っていきます。
仕様道具:イジー ヨーロッパ目打ち4.0ピッチ

縫い終われば、ヘリ落としもしくはヤスリでバリを落としていきます。
バリを落とすことで手なじみが良くなります。

③下地材の塗布

形が形成できれば下処理剤を塗っていきましょう。今回は下処理剤としてエッジカバーを使用してみます。まずコバ面に塗り、ちょっと乾かします。その後ヤスリ掛けをして断面整えます。これを2、3回繰り返すと右の写真のようになります。
使用道具:エッジカバー

④仕上げ剤の塗布

その後コバ仕上げ剤:フェニーチェを塗ります。塗る道具は最初、綿棒でやりましたがうまくいかなかったので市販で売っているコットンパフをつかってみました。
使用道具:フェニーチェ BLK

あまり厚く塗りすぎると剥がれの原因となりますので薄く塗り、乾燥、軽くヤスリます。ヤスリすぎると仕上げ剤が完全になくなってしまうのでやりすぎ注意です。その後最終の仕上げでもう1度ぬります。

⑤完成

 

まとめ

どうでしょうか。結構綺麗に仕上がりました。このように薄塗りでコバの断面をきれいに仕上げる場合は下地でほぼ決まってしまうので下地づくりが重要になってきます。

使う道具や薬剤によって仕上がりもかなり変わってきますが今回仕様のものであればだいたいこのような仕上がりになります。

フェニックスでは下地材・仕上げ剤共に多くの商品があるので色々な商品が比べながら自分好みの仕上げをみつけてみるのも楽しいかもしれませんね。

 

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