おか染?芯通し?レザークラフトでよく登場する染色の違いについて


こんにちは。Phoenixのヨコイです。

今日はお客様からよくお問い合わせをいただく革の染色について。

ネットで革を買おうとした際に

・おか染

・芯通し

・ドラム染色

など、初めてレザークラフトをやろうとした際に「ナニこれ?」となる専門用語に戸惑うことってありませんでしょうか?

これらは革の染色について説明したコトバなんですが、初めてだと何のことかわからないですよね?

今日はこれらについて、言葉の説明と、写真でわかりやすく解説したいと思います。

そもそも染色とは?

皮は鞣しを経て「革」になりますが、それだけでは無染色の状態ですので、
タンニン鞣しの場合はタンニン(褐色)の影響で淡いベージュ色、
クロム鞣の場合はクロム(青色)の影響で淡い青色となっています。

タンニンなめしの場合はそれを「ヌメ」と呼んだり、
クロム鞣の場合は「ウェットブルー」と呼んだりします。

<タンニン鞣しのヌメ>

<クロム鞣のウェットブルー(乾燥)>

このままだと味気ないですよね。

もちろんこのままで材料として使う楽しさもありますが、
もっと表現の幅を広げるために、革に色をつける。これを<>と言います。

補足として、こういった染める前の革「生地」をフィニッシャーと呼ばれる仕上げタンナーがオーダーに応じて色々な革に仕上げていきます。(大手タンナーでは鞣しと仕上げを担うところもあります)
その仕上げ工程の一つが<染色>で、その他にも様々な仕上げがあります。

広義には鞣し後の製革工程全体を包含するが、通常は革のクラスト以降に行われる工程で、革の外観、機能性を向上させるために行う工程。ほとんどすべての革でこの工程を行っており、目的とする革により種々の薬剤、工程、機械処理が行われる。表面の着色や皮膜形成を目的とした塗装グレージングアイロンかけ型押し起毛革の場合はバフィングによる起毛などの作業が含まれる。

—-引用:日本皮革産業連合会編纂「皮革用語辞典」より仕上げ工程

染色には<染料>と<顔料>を使う。

革に色をつけるには「染料」と「顔料」が用いられます。

では「染料」と「顔料」の違いは何でしょう?

すごく雑な言い方をすると「粒子の大きさ」です。

染料…非常に細かい粒子なので革に染み込む

顔料…粒子が粗いため、革に染み込まずに表面に残る

 

 

 

また勘違いが多いポイントとして、これらは「併用」されることも多いです。
どちらか一方、という方が珍しいんじゃないかな。

 

この辺りを詳しくやりだすと長くなるので、また別の機会で!

 

染み込み加減は断面でわかる!それぞれの違いについて

 

では本題の、冒頭の用語「おか染」「ドラム染色」「芯通し」について解説します。
それぞれの特徴なども併せてお伝えしますね

おか染とは

未染色の生地にスプレーやハケなどで色を染めたもの。
革の中にはほとんど色が染み込まず、断面は未染色状態に見える。
特に黒は「茶芯」と呼ばれることもある


<おか染のイメージ図>

 

ドラム染色

革を染色する際に、染色用のドラム(トップ写真参照)に革と染料を入れて攪拌することにより、
革全体に色をつける手法のこと。
用いる染料や、ドラムを回転させる時間や速さの調整で染まり具合や仕上がりを調整できる


<ドラム染色イメージ図>

 

芯通し

浸透染色のこと。革の内部まで染料を浸透させる染色方法のこと。
前述のドラム染色の際の染料の量や革のPh(ペーハー)を調整することで行う。

優劣はなし!お好みの革を選べばOK!

では、これらの染色のうち、どれがいいのでしょうか?

答えはありません。

それぞれの特徴があり、お好みに応じて選び分ければいいとは思います。

ドラム染色で芯通しでない場合、買った時は床面も色がついているけど、漉きをお願いしたら色が変わった!と言うこともよく聞く話です。必ず購入前にお店の人に聞いて、欲しい革がどう言った方法で染色されているのか聞いてみるのもいいと思います。

 

 

以前にもブログ書いているので要チェック!

芯通し革ってどうなの?専門家に聞いてみた

 

ヌメ革に関する質問と回答抜粋。厚みや染め

 

専門用語がわからない。。。そんな時は

今回はレザークラフトをこれから本格的に!と言う方向けの内容で書きました。私の乏しい知識の中で書いていますので、誤りなどがあればコメントにてご指摘願います。

Phoenixでは日々のお客様とのやり取りの中でいろんな疑問質問に出会います。

それらをまとめて動画やブログで解説してますので、何かわからないことなどあればお気軽にご質問ください。

それではよきレザクラ生活を!

 

 

 

 

 

 

 

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