【バックナンバー:2013年12月10日の記事】ジャンパードットホックという金具の設計思想の美しさ 


こんにちは。Phoenixのヨコイでございます。

早速ではございますが、Phoenixはここでブログを2014年から書いていますが、実はそのもっと前から他のサーバで書いていました。訳あって現在のサーバへお引越ししましたが、1400ほどあった旧サーバの記事はお引越しできず、そちらのサーバに置きっ放しとなっております。
(旧サーバのブログはこちら

現在でも古いブログはご覧頂けますが、別サーバの記事なのでブログ内検索などでは引っかかりません。

有益な情報がたくさんあって、とってももったいないなー、と日々思っていたので、これから少しずつ【バックナンバー】としてこのブログ用に再編して掲載していこうと思います。

古い記事の引用となりますので、表現が古かったり今ではもっと便利になっていたりしますが、これは当時のまま載せようと思います。

他にも価格が当時と異なっていたり、登場人物がすでにPhoenixを去った人だったりしますが、こちらは誤解を避けるためにも、ご本人への配慮もあり伏字や編集したものとさせていただきます。

予めご了承ください。

今日は2013年12月の記事(約8年前)

ジャンパードットホックという金具の設計思想の美しさ

始まり始まり〜

「フェニックスさんで購入したハンドプレス駒ジャャンパードット7050で自分のホックを打ったけどうまく止まらない。ダボ部分が革の上でくるくる回転してしまう。」

 

ん~と、うちで購入した駒でうちで購入したジャンパードットホックを打ちました?

「ジャンパードットホックはフェニックスさんで買ってないけどやっぱり無理ですかね?」

国内にメーカーがいくつかあるんですけど、大概サイズは同一にはしているんですけどねぇ。
海外製のホックに対して国内の駒が適合するかどうかは博打ですね。

手芸店の格安ホックを購入して当店の打棒を使ったら打てなかった、という報告も過去にしました。

《金具》謎のジャンパードットホックがつけられない>>ホックボタンに関する驚く話: レザークラフト・フェニックス

けど、今回のホックは国内産、だとのこと。
はて???
いちど駒とホックを見せてもらえます??

ということで送ってもらいました。

写真右半分が当店の7050ホック、左半分がお客様のホック。
基本的なサイズは同じですが、足の長さが違いますね。

お客さんの足は6mmちょい

当店のは9mm

が、これが原因ではありません。
ハンドプレスという道具は偉大で「垂直に均一の力」を加える事が出来ます。
3mm程度はハンドプレスにしたら許容範囲内です。

で、次は実験実験

左から順に
「当店のダボ頭+お客さんの足」>回転せず
「当店のダボ頭+当店の足」>回転せず
「お客さんのダボ+お客さんの足」>くるくる回転

ふむ。
ってことは問題あるのはお客さんのダボ頭ですな。


(編集註:左お客様、右Phoenix在庫品)

じ~~~ アッ!Σ(・ω・;|||


(編集註:左お客様、右Phoenix在庫品)

ダボの周辺が当店のは廻りに点々が点在。
お客さんのは☆3つがついています。

これか!この☆3つが答えか!

 

要は当店のダボは周辺に点々がついており、この点々が革を押さえつけて固定されています。
回転しづらいように摩擦を高めているわけですね。

それに対してお客さんのダボは周辺に☆が3つあるだけです。
この☆だけでは革に対する摩擦が弱いからダボがくるくる回転するわけですな。

 

周辺の点々にこのような意味を与えているとはなんと美しく愛のある設計思想だなぁ、と。

 

推測ですがお客さんののホックは本来ジャンパーなりジャケットなどの布用のものじゃないかなぁ、と。
また、布の世界ではジャンパードットホックのダボがクルクルリンと廻ってもそれほど問題じゃないと思われている可能性もあります。

タカシマ「くるくる回転することでデメリットってあるんですかね?」

あまりデメリットはないと思う。
くるくる回転するから外れる、ってことはない。
ジャンパードットホックシリーズはパイプが内側でクルリと回転して固定されている。
そのクルリ、という回転がある程度超えているならば外れることはそうそうないかと。

が、納品したり、購入したお客から「これって大丈夫なの?」と聞かれるのがデメリットといやデメリットやねぇ。

(当社としては「外れない」という保証は出来ません)

解決策としては
・ダボの部分だけバラ売りで当店で購入する

ジャンパーホック 【パーツばら売り】- レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

ダボだけ10個120円、1個12円、1000個購入すれば3割引きになりますわ。
これでダボ頭だけ別売りで購入するのも手かと思います。
※現在はパーツばら売りは50個入り販売、まとめ買いの場合は1箱1000個入り(25%オフ)となります

手間がかかってもいいならば革でドーナッツ状のパーツを作ってダボの下に挟み込んで打ち込む、というのも手です。
ここらは以前載せた下記のblogが参考になるかと

バネホックについてまじめに解説してみよう。どの工具を使うか、どう打つか: レザークラフト・フェニックス

参考リンク
オリジナルの駒を作る
ハンドプレスは偉大な道具だ、という話 フィオッキホック編: レザークラフト・フェニックス

ハンドプレスの駒はどんなハンドプレスにでも使えるのか、という話
ハンドプレスのコマってどれもこれも同じ経なの?: レザークラフト・フェニックス

過去の関連blog:


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