植物油と動物油を革に塗布する場合、なにが違うのかという話


こんにちは!Phoenixの仲地(なかち)です。

先日スタッフすなだがブログでお知らせいたしましたが、クラフト社ニートフットオイル(品番2219)の原料が「動物油」から「植物油」に変更されました。では使用の際には何が変わるのか。。

この機会に各オイルの違いについても説明しておりますので、ぜひご覧ください。

□何がどう変わったの??

・動物油から植物油に仕様変更しています

長く定番商品として販売してきた「ニートフットオイル(品番2219)」ですが、原料が「動物油」から「植物油」に変更されました!

・動物油と植物油はなにが違うのか

「ニートフットオイル(品番2219)」について保革油(=潤いを与えたい)としての効果や用途につきましては従来品と変わらず使用して頂けます。

 

じゃあ動物油と植物油はどう違うの??という疑問が出てきますよね。

 

・植物油について

植物性油は動物性油に比べて、繊維の奥までぐんぐん入っていくわけではなく、革の表面に適度に残ってくれます。ですので、「染色前にヌメ革の下地を整えたい」、という方にオススメです。

染色をする方については、下記のブログも参考にしてみてください。

染色に対してのオイルの特性(参考ブログ:皮革用塗料の専門家 Lized)

・動物油について

「しっかり繊維に浸透して欲しい」「色を濃くしたい」「硬い革の繊維をほぐしたい」などの目的がある方は【動物性油】がオススメです。

 

□Phoenix取り扱いの主要な動物油

「クラフト社 100%ニートフットオイルNo.22013」


原料:動物性オイル100%

しっかり繊維に浸透して、革に適度な柔軟性を与えます。しかし、粘度も高いので、広範囲に伸ばすには向いていないかなとおもいます。

ピュアホースオイル

革の内部深くまで浸透し、油分を補い、うるおいを与え、革の繊維の摩擦をおさえて柔軟性をもたらします。酸化(脆化)・老化・汚れを防ぎ、さらに革の内部で細菌を包み込んでカビの発生も抑制します。

【Lized】クリームペースト エージングオイル100ml

主成分はニートフットオイルです。クリーム状のため革への負担を軽減して潤いを与えます。また磨くことで独特のオイル艶を得られます。経年変化の促進剤としても活用できます。

 

BANOWN レザーケアオイル

人にも優しいケアオイル

馬のたてがみ下の”コウネ”と呼ばれる脂肪から抽出・精製した最高級の【無添加】ホースオイルです。1頭の馬からごくわずかしか取れない貴重なコウネを100%使用しています。浸透性が良く、革の表面に塗り込むことで内部まで油分を補い、乾燥を防ぎます。

定期的なオイルケアを行うことで革の柔軟性、しなやかさを保ちます。臭いも少なく、ベタつかないのが特徴で、無添加のため、お子様の手に触れても安心です。

□Phoenix取り扱いの主要な植物油

ニートフットオイル(品番2219)

こちらは今回のブログの表題にもあるように「植物油」に仕様変更しています。「ケアで保革しておきたい」「染色前にヌメ革の下地を整えたい」、という方にお勧めです。

【Lized】プラントオイル 100ml

植物性オイルに界面活性剤を配合しています。革の表面にとどまってくれるのが特徴です。

界面活性剤が含まれていることにより、水と混ぜることができ、濃度を調整する事が可能です。スプレー塗装をしたい方は水と混ぜてスプレー塗装が可能になります。クラフトミストスプレーでも使うことが出来ますね。「水と混ぜることが出来る」というのはこのプラントオイルならではの特徴です。

また、革の表面の保護膜の役目もあります。磨き艶が出し易く、防汚性も兼ね揃えています

オイルについて色々と説明してみました。疑問点やご意見などがあればお気軽にお問い合わせください。

 

過去の関連blog:


6 thoughts on “植物油と動物油を革に塗布する場合、なにが違うのかという話

  1. ブルー

    ObenaufやAquasealなどが防水材として溶剤を使用していない安全で無害、そして革の呼吸を邪魔しない水溶性シリコーンオイル(≠シリコーン樹脂)などを出していて(Aquasealは保革剤入り)、Pecardは革に合うようにph調整された食品等級の石油蒸留物のみを使っていると書いています。
    そしてどんな動物性脂肪の類でも必ず微量の塩分やよくない成分が入っているから、純粋で革に合わせられた安全な合成オイル等の方がよりあっているというのは正しいのでしょうか?

    返信
    1. l-phoenix 投稿作成者

      こんにちは、フェニックスのムラキです。コメントありがとうございます。

      >ObenaufやAquasealなどが防水材として溶剤を使用していない安全で無害、そして革の呼吸を邪魔しない水溶性シリコーンオイル(≠シリコーン樹脂)などを出していて(Aquasealは保革剤入り)、Pecardは革に合うようにph調整された食品等級の石油蒸留物のみを使っていると書いています。

      すいません、自社の革に関するものに関しては責任もって回答しよう、と心がけています。他社様のものに関しては返答は控えさせていただきます。

      >そしてどんな動物性脂肪の類でも必ず微量の塩分やよくない成分が入っているから、純粋で革に合わせられた安全な合成オイル等の方がよりあっているというのは正しいのでしょうか?

      こちらも非常に答えづらいんです。
      それは「秘密のことがある」という意味ではなくて、「よくない成分」や「安全な」、「よりあっている」、「正しい」というのがどこにかかっているのか、により回答が変わるからです。
      ・ 地球にとって良くないのか?人間にとって良くないのか?環境にとって良くないのか?

      ・環境にしても水なのか、水生生物に対してなのか。
      ・「合わせられた」というのは靴なのか、かばんなのか、など、あまりに漠然としており一概に回答出来ません。

      失礼な回答になったかと思いますが、ご理解ください。

      返信
  2. ぷしゅ

    仕上げとケア・メンテナンス用品として、lizedのアニマオイル+wとクリームペーストエイジングオイルの購入を検討していますが、使用感や使い分けを教えていただけないでしょうか。いずれも動物性オイルを乳化したものという説明がされています。

    今は、クラフト社の以前の動物性ニートフットオイル(動物性オイル)、サフィールのオイルレザーローション(動物性オイル+植物性オイル+水分)、サフィールのレノベイタークリーム(ラノリン、ワックス)を使っています(エイジングの色変化→ニートフットオイル、表面のつや・軽い撥水→レノベイター、とりあえずシミになりづらいケア→オイルレザーローション)。

    返信
    1. l-phoenix 投稿作成者

      ぷしゅ 様
      こんにちは。フェニックスのなかちです。コメントありがとうございます。

      結論から申し上げますと、ケアとメンテナンス用としては、どちらも使用可能です。仕上がりについての特徴は以下にまとめていますので、参考になれば幸いです。

      もし、他にも質問やわからないことがあれば、別途メール(info@l-phoenix.jp)を頂ければ調べてお返事致します。

      □アニマオイル+W
      ・オイルの抜けてしまった下地革に油分を足したい。
      ・日常のメンテナンスとしても使用可能。
      ・水と親和性のある「界面活性剤」が含まれているので、水で薄めてスプレー塗布も可能。

      □クリームペーストエージングオイル
      ・上記をクリーム状にしたものがエージングオイル。
      ・日常のメンテナンスにも使用可能。
      ・クリーム状なので、指でも伸ばしやすい。
      ・塗布後、磨くことによって磨きツヤを得ることができる。
      ・植物性ワックスも入っているので表面にとどまってくれる。
      ・水で薄めることもできるがワックスの濃度も薄まってしまうので、表面にとどまる効果も薄まってしまう。

      返信
  3. ぷしゅ

    なかち様

    丁寧な回答をありがとうございます。もう1度商品ページを見ようと思ってオンラインショップで検索をしてみましたが、アニマオイル+wのページが見当たりませんでした。しっかりと確認せずに問い合わせてしまって申し訳ございませんでした。

    手持ちの商品の残量も見ながら、購入は引き続き検討します。

    返信

ブルー へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

*