動画で見よう!ソフトタッチプライヤーがあれば掴む動作が楽になる、という話 &おまけ付き


先日久々にCリングを200個ほどあけて留める、という作業をしました。

ラジオペンチで掴むと先端のギザギザが金具を傷つけます。で、革を両面テープで接着して挟み込むんですが、それでも安定性に欠けます。

今回のBLOGではなぜ安定性に欠けるのか。それに対してどうすればいいのか、ソフトタッチプライヤーを使うと効率があがるよ、という点を説明していきます。

ソフトタッチプライヤー – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

Cリングって?

Cカンとも呼んでいますね。フェニックスではニッケルシルバー・アンティークゴールド以外にも真鍮生地・本金メッキなどもあります。

Cカン – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

今回お仕事で触ったCカンは本金メッキでした。真鍮や本金メッキは柔らかいので傷が付きやすいんですよ

ラジペンチの先端はギザギザ。だから革を貼る

動画の中で先端に革を両面テープで貼ったラジオペンチを使っています。
ラジオペンチの先端はギザギザになっています。これは「ギザギザ部分が針金や金属に食い込むことで、より強く掴みます!」という工具なわけです。こんなもので柔らかい本金メッキのCカンを掴むと確実に傷がついてしまいます。通常のCカンでも傷がついちゃいますね。だから、革を貼っています。

”掴む”という動作

技術講座やセミナーなどでも話すのですが「ものごとの安定性ってのはどれだけ密着しているか=接地面積が広いか」ということです。接着剤や切断、掴む、という動作も同じです。

ラジオペンチに革を貼っただけですと、傷はつきづらくなっていますがしっかりとつかめていません。ラジオペンチは食い込ませて効力を発揮する工具だからです。

今回説明するソフトタッチプライヤーだって樹脂製のギザギザで傷は付きづらいですが、樹脂を削る覚悟で握らないことには効力を100%発揮できていません。

ソフトタッチプライヤー – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

だからこそソフトタッチプライヤーにはこの樹脂の替えパーツもきちんと存在します。このパーツを変えるほどギュッ!と掴んでください、という工具なわけです。

ですがCカンくらいの小さなもの、かつ、円形ですと掴みづらいわけです。

ソフトタッチプライヤーは改造して革を貼ると使い勝手が良くなる

で、オススメが今回ご紹介のタンニン革を貼って水で濡らして掴め、という方法です。

なぜタンニン革なのか?なぜ濡らすのか?

タンニン革には可塑性という性質があります。「水で濡らして強い力を与えるとそこだけ凹む」という性質があります。

この性質を活かしてカービングや絞り技法もあるわけです。

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吟面じゃなくて床面をなぜ表にはるか?

別に吟面でも良いといや良いんです。ただ、今回のCカンでは「Cカンに触れる表面積を増やしたい」という目的がありました。その際にモケモケと起毛されている床部分のほうが適していたわけです。

可塑性を発揮してより形状を強く浮き出したい場合は吟面のほうが適していますね。

どちらが正解、というわけではなく、掴む対象にあわせて変えるべきなわけです。

2mmの厚みだったらいいの?

動画では細工過程を載せていませんが、その後に先端を少し削っています。

 

これは形状的にちょっと斜めにしたほうがきっちりと合致してくれるからです。

下記写真を見ればわかりますように先端をちょっと薄くしています。

ニッパーやハサミ、今回のプライヤーは根本部分よりも先端部分のかみ合わせが浅くなります。構造上の問題となりますので、張り合わせた革を薄くすることでぴっちりと合致するようにしています。

 

Cカンを掴むためだけの工具やファスナーのエンド金具を留めるだけの工具が簡単に作れる

プライヤー先端部分に丸い凹みがあるように、これはCカンを掴む、ということだけに特化したプライヤーとなります。

他方、こちらはファスナーのエンド金具部分を留める、ということだけに特化したプライヤーとなりますね。

革以外の世界でも応用性は高いです。

今ならプライヤーに当店タンニン革の端切れ部分をおまけでつけます

 

個人的にはソフトタッチプライヤーはこの改造をしてからのほうが格段に使いやすい工具だと思っています。まぁ、生産元にしたら「交換樹脂パーツ売れなくなるやん!」と思うでしょうけど、タンニン革も交換パーツで売ればいいのになぁ、と。
今ならソフトタッチプライヤー購入時に上記改造に使える4cm×4cmのタンニン革ハギレをおまけでつけます。タンニン革、といっても当店で最高級といえる昭南ベンズか昭南ヌメですので「ギュムッ」と締まっている革となります。

ソフトタッチプライヤー – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

下記にもおまけのタンニン革をおつけします。上記プライヤーと似たコンセプトですが、タイプ的にはラジオペンチに近いです。こちらも上記と同じ改造は出来るのですが、咥える面積が結果的に小さくなっています。ただ、女性にはこちらのほうが使いやすい大きさかもしれないですね。

ソフトタッチプチ – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

amazonでも買えますがおまけはもちろんついてきません。

IPS ソフトタッチコンビプライヤー 200mm PH-200

IPS ソフトタッチスリム SH-165S こちらのほうが一回り小さいサイズです。女性にはこちらのほうが良いかも。

IPS ソフトタッチスリム SH-165S こちらは先端がスリムになっているタイプです。

覚えてもらいたいのは「ものごとの安定性ってのはどれだけ密着しているか=接地面積が広いか」です。小さいものはそれだけ接地面積が小さくなります。(まぁここらもどういう角度で掴むか、というのでクリアできますが、、)

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