コバ処理ってやり始めるときりがないけどね、という話


フェニックスではメールで革の質問が来たら革担当ヨシカワ、工具の使い方やサイズなどはネット担当仲地や店頭高嶋、技術的な質問が来たらムラキが答えています。

 

で。

 

ここしばらくコバの質問が続いているのでそれを質問に答えながら書いていきます。
こちらの方は質問>購入してTry&Error>質問、と来るので回答しやすいですね。

 

「コバ処理のやり方教えて!」と質問来たらとりあえず過去blogを紹介しています。

 

コバ処理どうやるの?カスタム編: レザークラフト・フェニックス
柔らかい革のコバ処理ってどうやるの?: レザークラフト・フェニックス

さて、今日の質問

カスタムの使い方の詳細について、質問です。

先日、カスタム(こげ茶・サウンドナイロン・目止液)を購入しました。

ドラムダイ(厚さ1.0~1.1mm、クロムなめし)2枚に、1.5mm厚の牛床をはさみ、その断面にカスタムを塗りました。

1革の断面にやすりがけする。

2よく振った目止液を、革の断面に、筆のお尻で載せていく。
(目止液・カスタム、ともに、使用前によく振って中身をかくはんすることが必要でしょうか?)

3目止液が半渇きくらいの状態で、サンドナイロンを。
やすりのように、一定方向にかける。
(目止液は、1度塗りで十分ですか?)
(サンドナイロンに表、裏はありますか?その場合、どちらを使いますか?)

4目止液が半渇きの状態で、よく振ったカスタムを筆のお尻で載せていく。
(カスタムは、1度塗りで十分ですか?)

⑤カスタムが完全に乾いてから、ウッドスリッカーで磨く。

以上の手順でよいでしょうか?

コバ処理は
1 接着 2 裁断 3コバ処理技術
の3技術と革に対する知識から成り立ちます。

 

どれだけ技術があろうとも革の知識(タンニン・クロムの鞣し技術や背中か腹なのかの部位を意識するetcetc)がないとどうにもなりません。

 

で、それを踏まえた上での回答ですが、手順としては上記で十分です。

 

ただ、革がふにゃふにゃのクロムや腹の部分だった場合はどうにもなりません。
ここらはもう実際に革に触れながら説明しないとどうにもなりません。

 

 

質問回答ですが

  • (目止液・カスタム、ともに、使用前によく振って中身をかくはんすることが必要でしょうか?)

カスタムは撹拌したほうがいいです。目止め液はドロッとしているのでそのままでok

 

  • (目止液は、1度塗りで十分ですか?)

きちんと濡れているなら1度でok

 

  • (サンドナイロンに表、裏はありますか?その場合、どちらを使いますか?)

ありません

 

  • (カスタムは、1度塗りで十分ですか?)

望むだけ何度でも。きりがないので自分で目標値作ってください。

 

※難しいと感じた点
・革の断面にカスタムを載せるとき、断面の縁の部分を美しくするのが大変困難。
筆のお尻でカスタムを載せながら、仕上がりががたがた気味に・・・。
これは、訓練というか、完全な技術というこで練習をつむことが一番ですか?
・目止液を塗布して、半渇きの状態でサウンドナイロンを一定方向に(やすりをかけるように)かけたとき、ドラムダイが薄すぎて断面の縁がぴらぴらに浮いてしまう。
柔らかい革のコバ処理は難しいというの痛感。
サウンドナイロンを、あまり強めにかけない・・という方法での対応がベストでしょうか。

カスタムのこげ茶は、革の色がカラフルでも対応できると思いました。
カスタムが合えば、カスタムを常時使用する形を目指しています。

こうやって難しい点などを書いてくれると回答する方としても助かりますわ。

 

・革の断面にカスタムを載せるとき、断面の縁の部分を美しくするのが大変困難。
筆のお尻でカスタムを載せながら、仕上がりががたがた気味に・・・。
これは、訓練というか、完全な技術というこで練習をつむことが一番ですか?

最初の説明で筆のおしりで載せる方法をお教えしたのですが、これも人によります。

 

ガラス棒やアルミ棒を使って”載せていく”人もいますし、コバフェルトやスポンジで”塗っていく”人もいます。
ただ、載せる技法は裁断がきっちりして下地処理をしっかりしないと難しいです。目止め液+サンドナイロンでしっかりと処理をしていると載せる技法はそれほど難しくありません。
コバフェルトやスポンジで”塗る”やり方のほうが楽で失敗も少ないのですが、盛るのには適しません。

 

両方兼用するのが一番ですな。
ここから先は何度もtry&errorして技術を修得するか、コバ講習を受けてもらうほうが手っ取り早いです。

・目止液を塗布して、半渇きの状態でサンドナイロンを一定方向に(やすりをかけるように)かけたとき、ドラムダイが薄すぎて断面の縁がぴらぴらに浮いてしまう。
柔らかい革のコバ処理は難しいと痛感。
サンドナイロンを、あまり強めにかけない・・という方法での対応がベストでしょうか。

この浮いてしまう、という現象は接着4割、裁断3割、革の知識2割、コバの技術1割の問題です。
サンドナイロンを強くかけない、というのも手ですが、接着裁断の問題がでかいと思われますわ。

 

ちょっと動画でコバ処理の作業風景をとってまた公開します。

 

 

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