ベルトを作ろう：これがあったら便利な工具編

ベルトを作ってみたいけど何を買ったら良いんですか、という質問が来ましたので書いていきます。

フェニックスでは下記のように多種多様なベルト用革を扱っています。こちらの解説はまた後日に。
・ベルト革 – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

革1枚からベルトを切り出すには？
ベルトのバックルのピンを通す細長い穴を開ける工具＝美錠抜きがあると楽で美しい
- - お値段安い美錠抜き
  - 高いけど質はいいバックル用穴あけ
ベルト穴をあける工具は楕円形にあけるベルト穴抜きを使ったほうがかっこいいが技術がいる
ベルトに均一にベルト穴をあける準備をするための工具がある
バックルが通る端っこ部分は薄くしておかないと美しくない
ベルト先端カーブはどうすればいい？

革1枚からベルトを切り出すには？

1枚の革から1、2ｍの長さで幅40mmなり30mmなりきっかりと切りだすのは至難の技です。
そのために必要なのは工具と知識、技術です。

・きっちりとした1mの定規（素材はアルミかステンレス、長さも1,5mくらいあればベスト）
・きんきんに切れる刃物
・オモリ（定規を固定するために。結構重要）
・1,2mの長さが入る机とカッティングマット（かなり重要）

これだけあって知識と技術があればキレイに切れます！

「えっ、そんな机がない」「1mの定規なんて持っていない」という方にオススメは下記のストラップカッター

ストラップカッター – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

「コシ・ハリがある革に限られる」「薄い革は苦手」などの諸条件がありますが、「均一の幅で長尺のものを作りたい」というのならば大変便利な工具です。
注意点は切れ味維持。替刃は必ず購入しておいてください。
裏ワザとしてOLFAの0.2mm薄刃で代用も出来ますが慣れてから試してみてください。

ストラップカッター替刃 – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

ベルトのバックルのピンを通す細長い穴を開ける工具＝美錠抜きがあると楽で美しい

バックルのピン金具本体を通す細長い穴を開ける工具を「美錠抜き」と言います。
フェニックスではお値段が安い「バックル用穴あけ」と高いが切れ味抜群な「美錠抜き」の2種類を用意しています。

ベルト抜きは4号～7合があります。1号3mm計算として

4号　3mm×12mm
5号　3mm×15mm
6号　3mm×18ｍｍ
7号　3mm×21mm

の幅となります。

ブレスレットの金具などでしたら4号、5号、30mm幅のベルトでしたら6号、それ以上の幅ならば7号がオススメです。大は小を兼ねる工具ではありますので悩んだら大きめのものを購入しておいてください。

お値段安い美錠抜き

最近ヤフオクやamazonなどで出ていますが、格安の美錠抜きや刃型の類は金属の質が安い海外製だったり、刃物の種類が異なります。（トムソンで作った刃型は「刃型」と称するのは問題あると思うのだがなぁ）

こちらの美錠抜きはお値段安いため質が安い刃物を使っています。
ただ、「厚み2mm程度のものまで」「硬いフルタンニンではない」ならばこれで十分かと思われます。
「厚み4mm、フェニックスのベンズベルト」にはちょと厳しいかなと思います。

美錠抜き – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

高いけど質はいいバックル用穴あけ

美錠抜きと名前は異なりますが形状は美錠抜きと同じです。単なる区別のためだけの名前変えです。

こちらは手間暇のかかる「火造り」という技法で作られた刃型となります。
上記美錠抜きに比べると値段は倍近くなりますが、切れ味などは抜群です。
個人的にはこちらがオススメです。（正直10年後これがこの値段でと手に入るかどうか疑問感じますので。。作る職人さん減っているし、この値段で作れる職人も減ってきています）

バックル用穴あけ – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

ベルト穴をあける工具は楕円形にあけるベルト穴抜きを使ったほうがかっこいいが技術がいる

バックルのピンを通す5つのベルト穴ですがポンチでも十分といや十分です。
ただ、市販品などは上記にあるように楕円形のベルト穴用ポンチを使います。

これを使うメリットは
・楕円形なのでピンの装着がしやすい

デメリットは
・まっすぐ打つのが難しい
・値段が通常のポンチよりもちょと高い

となります。

私はこれを使うときは紙にまっすぐ一直線にベルト穴を5つあけた治具を作ります。
「俺は腕があるからピシっと一直線に決めるぜ！」という博打は怖くて出来ませんので

ベルト用穴あけ – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

ベルトに均一にベルト穴をあける準備をするための工具がある

ベルトセンターという工具で、「ベルト穴を一定の感覚であけるために印をつける」というためだけの工具です。

例えば40mm幅のベルトに

幅を沿わせて固定、後は中央の丸穴に印をつけていきます。
そう！「一定の幅に均一に穴をあけるための印をつけていく」というためだけの工具です！

「そんなの紙で治具作ればいいじゃん～」という考えはとても正しいですが、これ1本900円払っておくとこれから先ベルト穴あけるために治具をいちいち作る苦労から開放されます！

必須工具ではありませんが1本お金に余裕あるならば買っておいて損のない品です。
「腕輪やベルトなど1年に10種類作る」というならば元は1年で取れます。

ベルトセンター- レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

バックルが通る端っこ部分は薄くしておかないと美しくない

なぜ薄くしておかないといけないのか？

下記はフェニックスで販売しているベンズベルトですが厚みが4,5mmあります。
バックルが通る部分をこの厚みのままで折り返すと厚み9mmとなり不格好、かつ、ブカブカとします。

昭南多脂ベンズベルト　ブラック – レザークラフトフェニックス　ONLINE SHOP

で、これを端っこ部分を薄くしておくとバックル折り返し部分が美しく収まります。

下記は10年使っている私のベルトですが、薄くしても避けてきたりはしません。
これはフェニックスで販売しているベンズベルトを使ったものですが、ベンズベルト事態頑丈さがあるからですね

じゃぁ端部分を薄くする工具は何があるのか？

「ベルト端部分を薄くするなら私の持っている漉き機でキュインと一発さ！」と思われる方がいるかもしれませんが、心底オススメしません。ヘタすると一発でシャフトが曲がります。
フェニックスで販売しているベンズベルトはほんとにタンニンが染みこみ硬く仕上がっているので漉き機を壊す可能性があります。
それでしたら気長にカッターなりで削っていくほうが安全策です。
でもめんどくさいです( ﾟДﾟ)y─┛~~

※漉き機で薄くしたい、というのならば下記BLOGを端から端まで読んでください。
動画で解説：分厚い革を漉き機で漉くのは故障の原因になるので無茶はするな、という話 | phoenix blog