クロムエクセルでトートバッグを作ってみた。


 

こんにちは。
フェニックスの高嶋です。

 

前回、コードバンで名刺入れを作ってレポートしたところ、
「参考になった」「挑戦してみようと思います」
と、嬉しいお言葉を頂きました。

 

書いてよかったー‼︎

 

苦労した甲斐がありました。

 

ということで、第2弾‼︎
今回は、クロムエクセルでトートバッグを作ってみました。

 

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いい素材を使う時は、シンプルなデザインでいいんです。
ただそれだけでは革屋としてあまりにも芸がないので、
ちゃんと革屋サイドからの、
“こんな風に遊んでみました”的提案も備えています。

 

今回は1回完結ですので、少し長めですが、
注意点や個人的感想と併せて、
みなさんの参考になれば幸いです。

 

 

 

アメリカにあるHORWEEN社で作られるクロムエクセルは、
油脂と蝋の成分をたっぷり含み、強烈なプルアップ(色化け)を楽しめる革です。

 

ただ、その脂分のせいで革は重く、脂移りや色移りの可能性があり、
おまけに接着が効きにくいというデメリットも併せ持っています。

 

それでもデメリットを凌駕するだけの特徴、魅力、ネームバリューはあります。
あとは、作り手さん次第だと思いますし、
如何にエンドユーザーさんに伝え、理解してもらえるかだと思います。

 

今回使用したのは…

 

クロム1.JPG

 

クロムエクセルのナチュラルです。
ナチュラルなのにこんな色なんですよ。
プルアップした時の色の濃淡の差が一番大きいのがナチュラルなんです。

 

裏地なしで作るので、
厚みは元厚(2.3mm前後)のまま。
裏地を貼る場合は、裏地に油脂成分が移る可能性が高いのでお気を付け下さい。

 

あと、小物の場合は仕方ありませんが、
靴や鞄を作られる場合は、元厚をお勧めしています。
オイルをたっぷり含んでいる分、少し漉いただけで柔らかく(伸びやすく)なることがあります。

 

で、こんな感じで裁断してみました。

 

クロム2 .JPG クロム3.JPG

 

敢えて効率の悪いパーツ取りをしているのには訳があります。
それは後ほど。

 

トートバッグは、パーツが少ないので、
初心者の方にお勧めです。

 

次に、ヘリ漉きをしました。
15mm幅で斜め漉き。

 

クロム6.JPG

 

このヘリ漉きをしておくことで、
内縫いのバッグをひっくり返した時、
縫い返し部分がスッキリします。

 

※フェニックスではヘリ漉きの加工もお受けしています。
詳しくはこちらをお読み下さい。

 

ロウ引き手縫い糸を使って縫っていきます。
菱目打ちは6mmの物を使用しました。

 

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最終的に縫い目は隠れるので、
スピード重視で波縫いを往復する縫い方にしました。

 

本来ならゴムのり等で仮止めをしてから菱目を空けて行くのですが、

 

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ただでさえ接着が効かない革の上、
吟面同士を接着することになるので、接着剤が全く効きませんでした。
仕方が無いので先にパーツに菱目を空けて、糊は使わず縫って行きました。

 

縫い上がったら、グリっとひっくり返していきます。

 

クロム12.JPG クロム13.JPG

 

厚みがあるのでひっくり返せるか心配でしたが、ごらんの通り。
爪が当たるとキズが付くので、手袋をはめることをオススメします。
で、ひっくり返すだけでこのプルアップ。
たまりません。

 

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ひっくり返した直後、
新品なのにヴィンテージ感漂ういい感じ。

 

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縫い返し部分もスッキリ。

 

持ち手はイタリアンショルダーベルトを使用。
30mm幅でカットして、
ヘリ落としで角を落とします。

 

クロム8.JPG クロム7.JPG

 

こうしておけば、
手に持った時の納まりがいいのと、
持ち手の傷みが軽減されると言います。

 

イタリアンショルダーベルト自体、
脂分を含みしっとりとした質感で手馴染みが良いので、
取っ手にもオススメです。

 

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最後にハンドプレス機でカシメを留めて完成!

 

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鞄の口部分に敢えて革の端を持って来て、
背中の自然なラインを活かしてみました。
効率の悪いパーツ取りになってたのは、このためです。

 

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裏面のお尻辺りにあるHORWEENのロゴとサイズ表記を見えるように、
マチのパーツを裏返してます。

 

クロムエクセル1枚から1つしか作れないトートバッグ。
贅沢で値打ちのある1点モノの完成です。

 

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実際に使用した感じは柔らかくて使い易いです。
表面のベタつきは使っていくと少しづつ取れていき、光沢が出てきました。

 

好き、嫌いが別れるとは思いますが、
はじめは脂分の独特な香りが少し気になりましたが、
時間と共に気にならなくなって行きました。
もっとも、ブーツ用に仕立てられている革なので、
そういう配慮はなくて当然と言えば当然です。

 

ただショルダーバッグのように体に常に触れているような鞄だと、
油移り、色移りは覚悟しておく必要があります。

 

“いるもんだけぶち込んで、
ガシッと持って出かける”
そんな男のトートバッグを作るときは、
是非採用してやって下さい。
きっとええもんが出来ますよ!

 

神経質な方は絶対に使わないで下さい!!!(笑)

 

商品名:クロムエクセル
製 造:ホーウィン社(アメリカ)
なめし:コンビなめし
加 工:オイル、蜜蝋
厚 み:2.3mm前後
サイズ:160~230DS程度(ライトステア)
単 価:DS/¥145(税込)
カラー:全10色
焼印率:中
カット:可
おまとめ買いによる割引き:あり

 

 

過去の関連blog:


クロムエクセルでトートバッグを作ってみた。」への6件のフィードバック

  1. l-phoenix 投稿作成者

    大杉様

    こんばんは、ふぇにっくすです。
    こちらの鞄は当店スタッフが手縫いでチクチクと作ったものであり販売のものではありません。
    「当店スタッフが手縫いでチクチクと縫ったら出来たよ!ほら、みなさんも是非作ってください!」という宣伝でもありますので是非「つくろうかな?作れるかな?」と興味を持って頂けたら幸いです。

    「そんなこと言うならどれくらい予算かかるんだよ!できるのかよ!」と質問していただけたらまた「材料費は~~円くらいで道具はこれくらいいるよ」というblog記事書きますのでよろしくお願いします。

    ※メールアドレスが書かれていましたので当方の判断で削除させていただきました。

    返信
  2. 北野慎一郎

    「クロムエクセルでトートバッグを作ってみた」を拝見しました。僕も材料を購入し、更に、ヘリ漉きの加工もお願いしたく存じます。革細工は初めてですが、自動車の革シートカバーの市販品に手を加えて運転席と助手席の革シートを完成させたことがあります。縫物も好きでパンツやパジャマの裾上げ、輸入カーテンのほつれや破れなどの補修などは僕の大好きな仕事の一つです。革細工用の基本的な道具は何もないので、このバッグを作るのに必要な道具もアドバイスくださるととても助かります。とても、とても興味がありますし、是非自分で作ってみたいと思っておりますので、宜しくお願いします。

    返信
    1. l-phoenix 投稿作成者

      こんにちは、ふぇにっくすです。

      コメントありがとうございます。
      ちょいと近日中にblogで解説します。しばしお待ち下さい。

      返信
      1. 北野慎一郎

        ご連絡感謝いたします。ところで、材料のHORWEEN社のクロムエクセルを、今回のトートバッグ用に使用した型通りに裁断して頂き、そのヘリ漉きをお願いしたい、と考えていますが、どうしたら注文できますか?ご連絡をお待ちしています。

        返信

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