刃型の設計思想の美しさ。厚い革を抜く刃型

 

刻印の簡易見積もりフォームにつづいて刃型の簡易見積もりフォームも作りました。

が、刃型は大きささえわかれば簡単に見積もり!というものでもありません。
今回は同じような刃型で何がどう違い、それが値段にどう影響するのか、などを話してみましょう。

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この2点の刃型は似たようなものですが設計思想が根本的に異なります。

左の刃型は「15mm×70mmで角はR3(半径3mm)設定。穴をあけるポンチを3箇所」という設定で作られています。
これを簡易見積もりフォームに入れると「17cm×80円+ポンチ800円×3本」で合計3760円です。
多分、、それくらいの値段です。(もうちょい高い気もするなぁ。。)

右の刃型は「35×60mmの楕円形でポンチが1本ついている」というものです。
外周は15cmほどです。これを簡易見積もりフォームに入れると「15cm×80円+ポンチ800円×1」で2000円ほど。でも当店では最低3000円いただきますので合計で3000円かな。。と思うと実際に正式見積もりを当社に出してもらえばおそらく4500円~5000円ほどになります。

さて、この差はなんでしょうか?

1つ目は楕円形、という形です。基本的に円形や楕円形などは刃型で作る際に技術が必要となります。
人間の目って円形やカーブの歪みって簡単に見抜くんですよ。
当社がお願いしている刃型屋さんは個人的には大阪で一番の腕前だと思います。
(大阪以外の刃型屋さんは頼んだ事ないので知りませんわ。とにかく安定度が抜群。)

円形・楕円形はちょと高くなる!と覚えておいてください。

 

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2つ目は溶接箇所・板の追加です。

見ていただけたらわかりますように左の刃型は「ポンチがある部分にだけ金属の板が溶接されている」 右の刻印は「楕円形全体に板が溶接されている」状態です。

左の刃型にきっちりと全体を板で留めたら値段はあがります。

ではなぜ板をきっちりと全体に溶接したのでしょう?

左は事前の打ち合わせて「1,6mmの合成タンニンなめしの革を抜く」という想定で作りました。
右は「厚み4mmのタンニンベンズ革を抜く」という想定です。

タンニンベンズは当店の目玉革であり、「4mmの厚い皮をタンニンでなめし、さらに腹や首などのゆるい繊維部分を切り落としている」という贅沢、かつ分厚く硬い革です。

昭南グレージングベンズ(サドルレザー)


昭南多脂ベンズ(サドルレザー)

分厚い革、というのは裁断している最中に刃物を左右から押さえつけてきます。そのため刃型の溶接箇所が少ないとあっさりと刃型の溶接箇所が壊れてきます。
1箇所より2箇所、2箇所より3箇所、と溶接箇所を増やすことで頑丈さを増します。それでも通常の刃型であればベンズ4mmタンニン革などは刃型裁断できません。
で。板を刃型上部に設置して刃型の頑丈さを増したのが今回右側の刃型です。

 刃型を作る際には「実際にどういう革を抜くのか。厚み・鞣し方(タンニンかクロームか)」などを教えてもらえると見積の際にそれにあった刃型の提案をさせていただきます。

簡易見積もりフォームはあくまで簡易、です。
小さくても複雑な形状であれば簡単に料金は跳ね上がります。
正式な価格は見積もりフォームからPDFか数値を入れた図面、もしくは実際の型紙を送ってからとなりますのでよろしくお願いします。

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